これらはすべてサンクコストの罠にはまっています。
サンクコストは、未来の自分を、過去の自分の囚人にしてしまう。それは、人生の重大な決断を他人に下されるのに等しい。
今の自分から見れば別人のような過去の自分が立てた経済的な目標を、無条件に生命維持装置をつけて延命させようとしてはいけない。必要な場合は、思い切って捨て去るべきだ。
そうすることで、将来の後悔を最小限に抑えられるようになる。古い計画を捨てて軌道修正するのが早ければ早いほど、複利の恩恵も受けやすくなる。
引用:モーガン・ハウセル著 『サイコロジー・オブ・マネー』 p.226
今回は、『【過去の自分の囚人になってはいけない!】人生を台無しにするサンクコストの罠について』というテーマでお話したいと思います。
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✅長い目で見たときに、資産を増やしたい人
✅「勿体ない精神」の罠を知りたい人
✅とにかく、人生の無駄を省きたい人
今回の記事を読んでいただくことで、確実にお金を貯めることができますし、確実に人生の無駄を省くこともできます!
「サンクコスト」について
と思われた方も多いと思います。
サンクコストとは、「どのような意思決定をしても回収できない、既に支払われた費用」のことを指し、日本語で「埋没費用」と言います。
サンクコストの例として、
『面白くない映画を観続けますか?』
があります。
チケット代2,000円の映画館に入ったものの、10分で面白くなく、どうしようか迷います。
この時の選択肢は2つ。
①映画を最後まで観る
②10分で映画館を出る
あなたならどっちを選択しますか?
この時に、選択肢のどちらを選んだとしても、サンクコストは発生します。
この時のサンクコストというと、「チケット代2,000円と10分という時間」です。
物事を考える際に、多くの人はこのサンクコストで考えてしまう傾向にあります。
チケット代2,000円と10分はどう考えても戻ってこないですよね。
要は、「過去は変えられない」。
ただ、私も含めて多くの方がこのサンクコストの罠にはまってしまう傾向にあります。
これには、人間心理が働いています。
「一貫性の法則(コミットメント)」と言われるもので、「人間は自分が決定を下したものを否定したくない」ということです。
ですので、多くの方は①の「最後まで映画を観続ける」を選択するのではないでしょうか。
↓お金の心理学については、こちらの記事も参考に読んでみてください!
機会費用(オポチュニティコスト)とトレードオフについて
という声が聞こえてきますね。
結論から言いますと、過去は変えられないので、「未来で考えよう!」
未来で考える場合に重要になってくる考え方が、「機会費用(オポチュニティコスト)」です。
機会費用(オポチュニティコスト)とは、「選ばれなかった他の選択肢を選んだ時に得たであろう経済的価値」のことを言います。
先ほどの2つの選択肢を機会費用(オポチュニティコスト)で見てみましょう。
①を選択した場合、「2,000円と2時間は失うかもしれないが、最後に面白い展開が待っているかもしれない」
②を選択した場合、「2,000円と10分は失うかもしれないが、1時間50分は有効活用できるかもしれない」
というものです。
ただ、この機会費用(オポチュニティコスト)で考える場合、「トレードオフ」の考えも必要になってきます。
メモ
トレードオフとは、「何かを選択したら、何かを選択しないこと」を意味します。
よく考えると、人生トレードオフの連続ですよね。
高い給料を貰う代わりに、家族との時間を削るか。
家族との時間を確保するために、給料が減ってでも良いから転職するか。
私であれば、ブログを書く時間を確保するために、観たかったテレビ番組を見ないようにする。
朝に運動時間を確保するために、もう少し寝たいところを起床時間を早くする、などです。
『トレードオフを考えたくない気持ちはよくわかる。そもそもトレードオフが起こるのは、どちらも捨てがたいような状況だ。高い給料か、長い休暇か。急ぎのメールに返信するか、大事な会議に出席するか。より速くか、それともより良くか。
どちらも望むことなのだから、どちらにも「イエス」と言いたくなる。しかし、しれは不可能だ。』
引用:グレッグ・マーキュン著『エッセンシャル思考』 p.75-76
このトレードオフと機会費用(オポチュニティコスト)で物事を考えるクセをつける必要があります。
ではここで、機会費用についてもう少し詳しく見ていきましょう。
機会費用(オポチュニティコスト)の例
・仕事Aをすると、100万円の利益が得られる
・仕事Bをすると、200万円の利益が得られる
・仕事Aを選択した=仕事Bを選択しなかった=この時の機会費用(オポチュニティコスト)は200万円
・仕事Bを選択した=仕事Aを選択しなかった=この時の機会費用(オポチュニティコスト)は100万円
このことから分かるように、機会費用は少ない方が良いとされ、仕事Bを選択した方が経済合理性で考えた場合、正解であるとされます。
「物事を考える時は、サンクコストではなく、機会費用(オポチュニティコスト)で考える必要があり、そのためにはトレードオフをする必要がある」ということです。
世の中に溢れるサンクコストの罠とそこから抜け出す機会費用について
ここでは私の個人的な体験談も踏まえて、より良い人生を歩むための話をしようと思います。
貯蓄型個人年金保険
私は、数年前まで民間の貯蓄型個人年金保険に8年間加入していました。
加入のきっかけは、母親の知り合いの保険会社の人の勧めで、母が勝手に加入をしたことです。
もちろん、当時の私は金融リテラシーがゼロに近い状態だったので、自分が保険に加入していることすら知りませんでした。
ただ、お金の勉強をする中で、個人年金を解約し、iDeCoで運用を開始しようと思うに至りました。
解約するにあたってのサンクコストは、「解約返戻金が少なくなる」ことです。
私の場合も、8年間積み立てた金額よりも、もちろんマイナスの金額になりました。
ただ、機会費用(オポチュニティコスト)で考えた場合、「iDeCoで60歳まで引き出せないとはいえ、時間を味方につけて複利効果の恩恵を受けることができるかもしれない」と思いました。
サンクコストの罠から抜け出し、機会費用(オポチュニティコスト)で一歩踏み出した私の一例です。
ただ、iDeCoで必ずしも運用がプラスになるかは分かりません。しかし、これからの時代、インフレ率等考慮しても、やはり投資は必須になると考えています。
「ウォーレン・バフェットの経済的成功の秘密は、若い頃に経済的基盤を築き、長期間にわたって投資し続けたことにある。バフェットの投資の技術は優れている。だが、成功の最大の要因は時間だった。これが複利の力だ。」
引用:モーガン・ハウセル著 『サイコロジー・オブ・マネー』 p.79
三大キャリア
スマホの三大キャリア(ソフトバンク、docomo、au)についてもサンクコストの罠にはまっている人が多いと思います。
など、すべてサンクコストの罠にはまっています。
また、そもそも「面倒くさいし」と思っている人も多いように思います。
これでは長い目で見た時の資産形成でかなりの差が生じます。
私の場合も数年前まではサンクコストの罠にはまっており、絶賛三大キャリアを愛用していました。
ただ、格安SIMに乗り換える際に、最初に違約金や事務手数料が発生するとはいえ、長い目で見ると確実に手元にお金を残すことができます。
我が家の場合も、私と妻ともに三大キャリアから格安SIMに乗り換えて、かなりの固定費削減に繋がりました。
↓固定費削減についてはこちらの記事も参考にしてみてください!
また、もう一点皆さんにお伝えしたいことがあります!
それは、皆さんのご両親にも格安SIMへの乗り換えを勧めてあげてください!
年配の方ほど、サンクコストの罠にはまっていると思いますので、一言声をかけてあげてください。
ご両親の手元にも少しでもお金が残ることができればと思います。
子どもの習い事
子どもの習い事にもサンクコストの罠が隠れています。
子どもがいるママさん、パパさんなら一度はこんな思いになったことがあるのではないでしょうか?
「せっかく今まで続けてきたんだから…」
私の息子も1歳の時から2年間、しまじろうでお馴染みの『こどもちゃれんじ』を受講していました。
こどもちゃれんじにより、息子の成長を感じることが出来たことも多々ありました。
ただ、受講している中で段々と、息子にとって「早期教育」になっているのではないかと
疑問に思うようになりました。
私の育児方針としては、『適時教育』、つまり、「今、息子が何を一番したいと思っているか」を重要視しているため、それと少しかけ離れている気がしたからです。
ただ、ここでサンクコストの罠です。
「息子もしまじろうは好きだし、次の〇月号ではこんな教材が届くし…」と。
ただ、機会費用(オポチュニティコスト)で考えた時に、「しまじろうの受講料で浮いたお金を息子が本気でしたいことの教材費に使おう!」と決断することができました。
私の息子でいうと、好きな絵本であったり、大好きなレゴなどです。
毎月使える教材費用の割合が増えたことで、妻と喧嘩をすることもなくなり、私にとっては英断だったと思います。
↓ちなみに、夫婦喧嘩についての記事はこちらも併せて読んでみてください!
まとめ
いかがだったでしょうか。
日々の生活の中に、サンクコストの罠は多く潜んでいます。
資産形成の場面だけで考えても、長い目で見た時により多くの資産を残すには、『機会費用(オポチュニティコスト)とトレードオフ』の考えにシフトしていくことが大切になってきます。
今回の記事を読んでいただき、少しでも多くの人のお役に立てれば幸いです!
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!